Google流は通用しない　韓国マーケの鍵「NAVER」の扱い方

更新日：2025年06月03日

前回の記事では、韓国のデジタルインフラの中核を担うNAVERの基本的な仕組みと、Googleとはまったく異なる独自のエコシステムについて解説しました。しかし、理論を理解しただけでは韓国市場で反響を出すことはできません。

本記事では、より深いところまで話を進め、NAVERの検索結果の仕組みから実際の広告運用方法、そしてインテリア雑貨メーカーのNAVERマーケティング事例まで、韓国市場攻略のノウハウを公開。韓国マーケティング攻略のヒントを探っていきます。

NAVER検索結果の露出形式

NAVERの検索結果は、単純な一覧表示ではありません。検索キーワードの種類や文脈によって、広告・要約表示・関連コンテンツなどの構成が大きく変わります。ここでは、NAVER特有の検索結果の露出パターンとその仕組みを解説します。

1、キーワード検索時の露出結果

NAVERでは、検索結果上部にパワーリンクなど有料広告の部分が表示されます。一番上に表示されますが、「情報性キーワード」の場合は大きな販売効果はありません。「購入キーワード」の場合には成約効率が良いという特徴があります。例えば、「足」に関するキーワードで見てみると、

検索ワード「足がむくむ理由」：情報性キーワードでパワーリンクによる購買コンバージョン率が低い。
検索ワード：「足マッサージオイル」：ショッピングキーワードでパワーリンクによる購入コンバージョン率が高い。

2025年3月27日には、Googleでいう「Search Labs | AI による概要」のような、検索上位に表示されるAI要約である、「AIブリーフィング」も実装されました。

参考：Google「Search Labs | AI による概要」

コンテンツの表示形式は、以下2つに分かれます。

(1) カテゴリ人気記事

NAVERの従来型の検索結果表示形式で、トピックの分類が難しいキーワードに対して「人気記事」として表示される仕組みです。

現在では、検索ボリュームが少ないキーワードに限定して残っていますが、競合が少ないため、ブログなどで上位に表示されやすく、コンテンツマーケティングの初心者にとって狙い目の領域となっています。今後はこの形式も徐々に後述するスマートブロックに移行する予定です。

出典：NAVER

(2) スマートブロック

「スマートブロック」は、NAVERのアルゴリズムによって生成された、カテゴリー項目別に分類して表示する機能です。

NAVERで該当キーワードを検索した時、ユーザーが気になるであろう情報をブロックに分けて提供します。例えば、「カップル旅行」で検索した時、スマートブロックでは「カップル済州島旅行」「カップル江原道旅行」などが出てきます。

スマートブロックには、2つの特徴があります。1つ目はリランキングで、2つ目は類推レコメンドです。

リランキングは、検索意図を察して、ブロックの並び順を変化させる昨日で、複数キーワードの関係性や文脈を考慮して、最適なコンテンツを上位表示させます。このスマートブロックの導入により、韓国SEO戦略において、キーワード単体より文脈のほうが遥かに重要な要素になりました。

例えば以前は「ソウルグルメ」を狙いましたが、現在は「ソウル江南の夜景がキレイなサムギョプサル店」のように具体的にヒットさせる必要があります。一方、類推レコメンドは「一緒にたくさん探す」（함께 많이 찾는）という表示形式で、ユーザーの検索意図を分析して、一緒に見られた様々な検索クエリを表示する機能です。