アドクロ編集部がお届けする2025年10月13日週の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOH事例は、下記を併せてご確認ください。
Topics①：ロキソニンSの広告
第一三共ヘルスケア「ロキソニンS」の広告です。
広告には原宿系動画クリエイターであり、アーティストとしても活躍中のしなこさんを起用。商品説明に終始せず、ステージで輝くしなこさんと、その本番前に準備をする後ろ姿を対比的に見せることで、夢や目標に向かう人々を応援するというメッセージを描いていました。
「その背中を止めない」というコピーは、痛みを取り除くという直接的な効果だけでなく、痛みによって何かを諦めることのないように、という使用者への共感とサポートの姿勢を強く打ち出しています。
通勤や通学で日常的にこの通路を利用する人々に対し、繰り返しメッセージを刷り込むことで、いざという時に「ロキソニンS」が第一の選択肢となるよう、利用者の心理に深く働きかける狙いが考察されます。
Topics②：ボディメンテの広告
大塚製薬「ボディメンテ」の広告です。
ビジュアルは白を基調としたミニマルなデザインと、深く神秘的な森を舞台にしたデザインという、対照的な二つの世界観で表現していました。 前者は日々の地道な努力や準備期間を、後者は「THE DAY」と銘打たれた本番の舞台を象徴していると考察されます。
7人組ガールズグループ「HANA」と、HANAのプロデューサーも務めている「ちゃんみな」さんを起用することで、ファン層への直接的な訴求はもちろん、見る者自身の「大事なその日」を想起させて共感を呼ぶことを狙っているように感じます。目標達成までの道のりを支えるパートナーとして位置づけ、消費者の感情に訴求していました。
Topics③：アサヒグループの企業広告
渋谷中央改札内階段シート
アサヒグループの企業広告です。
渋谷駅構内の階段やエスカレーターの壁面全体を使い、利用者の視界を覆うように雄大な自然の風景を展開。無機質な駅の空間に突如として現れる広大な森と清流のビジュアルは、強いインパクトを与え、通行人の足を止めさせる力を持っているように感じます。
特定の商品を宣伝するのではなく、「森に、未来に、笑顔を。」というスローガンのもと、長年にわたる同社の環境保全活動、特に「アサヒの森」の取り組みを伝えることで、企業としての姿勢や価値観を訴求。
写真の中に浮かぶシャボン玉のような球体は、水や空気の清らかさ、あるいは守るべき自然の儚さの象徴と読み取れます。
毎日の生活動線である駅でこの広告に繰り返し接触することで、消費者の意識の中に「アサヒ＝環境に配慮した企業」というイメージを醸成し、製品選択の際の信頼感や共感につなげることを目的とした、長期的なブランディング戦略の一環であると考察されます。
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