アドクロ編集部がお届けする2025年12月22日週の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOH事例は、下記を併せてご確認ください。
Topics①：「Canva（キャンバ）」の広告
オンラインで手軽にデザインができるツール「Canva（キャンバ）」の広告です。
「センス、必要なし。」という強烈なキャッチコピーとブランドカラーである鮮やかなブルーを全面に押し出し、デザインに対して苦手意識を持つ多くのビジネスパーソンの視線を奪う構成となっています。美的感覚に自信がなくても、豊富なテンプレートを活用すれば誰でも一定のクオリティを出せるという最大のメリットを、否定形の言葉を使うことで逆説的に強調しています。
実際の操作画面を模したビジュアルでは、「ここに文字を入れるだけ」という具体的な指示を大きく描くことで、導入への心理的ハードルを下げています。また、画面上に「藤田」「長谷川」といった複数のユーザーネームが表示されている点も見逃せません。これにより、個人作業用ツールではなく、チームでの同時編集や共同作業が可能であることを、説明文ではなく視覚情報として直感的に伝えていました。
12月下旬は、多くの企業において来年度の事業計画策定や年末の報告業務など、資料作成の需要がピークに達する時期です。多忙を極めるこのタイミングで、都内の駅構内というビジネスパーソンの移動導線上に「企画書づくり、スムーズに」という解決策を提示している点は非常に戦略的。作業時間の短縮と効率化という実利的な価値を訴求することで、直近の業務での利用を促す狙いが感じられる広告でした。
Topics②：「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」の広告
バラエティ番組「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」の年末特番および関連イベントを告知する広告です。
番組に登場したと思われる個性豊かな店主たちの笑顔を隙間なく敷き詰めたビジュアルは、年末の慌ただしい駅構内でも圧倒的な熱量と存在感を放っています。「本年もごちそうさまでした」という感謝の言葉に加え、翌2026年の干支である「午（うま）」と番組名をかけた「オモ午（ウマ）い年になりますように」というキャッチコピーを添え、季節感あふれる年末の挨拶広告として訴求。
印象的なのが、左端に配置された巨大な新聞のテレビ欄を模したデザイン。デジタルの番組表が主流の現代において、あえてアナログな新聞欄を巨大化して提示することで、逆説的に新鮮なインパクトを与えています。
さらに右端では、人気スナック菓子とのコラボ商品「オモウマい棒」の4.5万本無料配布イベントを告知。12月下旬という人流が増加するタイミングに合わせ、視覚的な賑やかさとリアルイベントへの誘導を組み合わせることで、番組特有の「お祭り感」を演出し、放送当日に向けた視聴意欲を極限まで高める戦略的な意図が感じられる広告でした。
Topics③：大塚製薬「オロナミンC」の広告
大塚製薬「オロナミンC」の発売60周年を記念した広告です。
夜空を巨大なスクリーンに見立て、無数のドローンライトで描かれた商品ボトルとメッセージ、そしてそれを見上げる人々の感動的な表情をパノラマサイズで展開。見る人の記憶や感情に直接訴えかけるストーリー性を持たせています。
ビジュアルには浴衣姿の若者や半袖の子供、笑顔の高齢者など、多様な世代が夏の夜空を見上げる様子が採用。特定のターゲット層だけでなく、親子三世代にわたって愛されてきた国民的飲料としての立ち位置を強固にしていました。
「あなたと大切なひとが元気でいられますように」という祈りのようなコピーは、一年の締めくくりである年末のタイミングにおいて、深く静かに響きます。商品が持つ機能的な価値を超え、「大切な人と笑い合える時間の尊さ」という価値を提示することで、長寿ブランドならではの安心感と信頼感を再確認させる意図が込められたような広告でした。
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葬送のフリーレンの広告
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