受講生一人ひとりに合ったカリキュラムを提案し、継続的な英語学習をサポートする英語コーチングサービス「プログリット」。本田圭佑さんの広告でお馴染みですが、広告施策には様々なこだわりと熱い情熱が込められていました。
今回は、一切の妥協を許さないクリエイティブ制作の裏側や、オフライン広告・WEB広告運用の考え方について、株式会社プログリットで事業部長を務める廣井氏と、マーケティングマネージャーを務める石原氏にお話を伺いました。
プログリットは英語学習の伴走者
編集部:株式会社プログリットで展開されているサービスについて教えてください。
廣井:「プログリット」というコーチングサービスについては個人向けと法人向けの両方で事業を展開しています。3ヶ月間、専任のコンサルタントが英語学習の伴走をして、一気に英語力を引き上げるというようなサービスです。
【株式会社プログリット プログリット事業部長 廣井勇也 氏】
編集部:他の英語学習サービスとの違いを教えてください。
廣井:大きな違いは、受講生に英語を教えるのではなく、英語学習の伴走者のように学習のサポートを行っている点です。
プログリットでは英語力を伸ばすには、英語学習を毎日継続して徹底的にやりきっていただくことが重要だと考えています。今の主流となっているのは、英会話スクールのように週に1度、外国人の先生と話して学ぶという学習方法ですが、プログリットはあくまで自習で英語学習を行っていただきます。プログリットが行うサポートとしては、その人に合った学習方法をアドバイスしたり、毎日どのタイミングで学習するのかを一緒に決めたりしています。
編集部:「プログリット」の他にも展開されているサービスはありますか?
廣井:「シャドテン」「スピフル」「ディアトーク」という三つのサブスクリプション型のサービスも展開しています。中でも「シャドテン」は月額2万円ほどで毎日シャドーイングの添削が返ってくるサービスで、サブスク型の中ではこれが一番の柱です。最近始まった「スピフル」と「ディアトーク」はAIを活用したサービスで、この二つはこれから伸ばしていくという位置づけになります。
【プログリットのサービス展開イメージ】
短期的なバズよりも持続的なベースアップ
編集部:今実施されている広告施策について教えてください。
石原:オフライン広告では電車広告を、WEB広告ではYouTube広告をメインに実施しています。広告を出す一番の目的は認知拡大なので、毎月の広告費の30~50%を認知拡大に充てています。
WEB広告については、比較・検討フェーズのユーザーに向けてはオウンドメディア・公式LINE・ウェビナーなどを、獲得フェーズのユーザーに向けてはリスティング広告・ディスプレイ広告などを実施しています。
2022年に上場してから1年間は様々な媒体で紹介してもらえたので、ある程度流入がありました。スーパーマリオで言えば、”スター状態”という感じです。しかし、その”スター状態”が落ち着いてきた時、予算がそのままでは採算が合わなくなってくるというのが明確でしたので、流入を増やすべく認知を拡大していくことになりました。
編集部:なぜ電車広告を選ばれているのですか?
石原:弊社がターゲットとしているビジネスパーソンが通勤などで電車を利用する際に見てもらえるように電車広告を選んでいます。
オフライン広告は基本的に電車広告一本で、2024年1月から継続的に掲出しています。主にJR東日本の首都圏全線に掲出していますが、たまに東京メトロでも掲出したりしています。
どうすれば指名検索を増やせるかを考えた時に、「プログリット」が造語である点や、英語のサービスである点、コーチングという新しいサービスである点など様々な要素から、すぐにサービスについて知ってもらうよりも、まずは「プログリット」という名前を覚えてもらうことを目標とすることにしました。
編集部:なぜ駅広告ではなく電車広告なのでしょうか?
石原:一番の理由はコストパフォーマンスが良いと試算しているからです。駅広告も良い面はあるのですが、1面1面出しても効果は期待できないと思っています。また、ホームの端など人の行き来が少ない場所に掲出しても、広告を見てもらえる可能性は少ないです。
電車広告であれば、広告の場所が固定化されていたとしても、多くの乗客が出入りするので広告を見てもらえる確率が圧倒的に高いと考えています。空枠を活用することで通常の価格より安価に掲載できたりするので、インプレッション単価を抑えられます。
編集部:以前はテレビCMも放映されていました。現在のように電車広告に絞っているのはなぜでしょうか?
石原:少なくとも単発では効果が感じられなかったというのが大きな理由です。継続的に実施していけば、異なる結果が得られる可能性もありますが、今の私たちのフェーズ的に、定常的に出稿しているデジタル広告に加えてテレビに継続的な投資をすることは正直難しいです。もちろん単発でのテレビCMも実施することはできるのですが、短期的にバズるほどのGRP(一定期間に放送されたテレビCMの視聴率を合計した数値)を担保しようと思うと結構な費用が必要になります。
それなら電車広告で一定の規模で継続投資していくことが理にかなっており、今の我々にとっては最適な選択肢だと考えています。
編集部:一時的なバズりを期待して多額の広告費を出すのはリスクがありそうですよね。
石原:そうですね。実は図らずも突発的にバズることもありまして、それによって認知は得られます。しかし、受講いただける方の数は毎月枠が決まっています。そのため、バズって多くの方に来ていただいても、受け入れることはできません。このようなビジネス構造上の事情もあります。
編集部:電車広告のクリエイティブを拝見しましたが「プログリット」の文字は大分控えめでした。
石原:「プログリット」という名前だけを大きく載せても分かりにくいのではないか、という懸念点がありました。過去に受講していた方にプログリットに対して残っている印象をお聞きしたところ、「本田圭佑」「オレンジ」「ストイックそう」という印象を持たれた方が多かったんです。それなら、このイメージを取っ掛かりに広告を出し、まずは「プログリット」で検索してもらうのではなく、「本田圭佑がやっている英語のスクールって何だろう」と興味を持ってもらって「本田圭佑 英語スクール」で検索してもらうことを目標にしました。
私たちは「プログリット」を短期的にバズらせるのではなく、少しずつ認知度をベースアップさせていきたいと考えています。少しずつ認知を向上させられる媒体として電車広告はぴったりで、最近では電車広告でプログリットを知ったという方が多くなりました。実際、定量データで指名検索数が20〜30%増えてベースアップできています。
また、受講生の方から「電車で本田圭佑さんに見られている気がする。本田さんに“今日英語の勉強やったか?”と聞かれているようで気合が入る。」という声をいただいています。これについては予想外の効果でした。
一切妥協しない広告制作に最適だったインハウス化
編集部:マーケティングチームの構成はどうなっているのでしょうか。
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