1日でアプリ1万ダウンロード！秘訣は「バズの確度」
有末: もう一つの事例は、ショッピングアプリを運営する「KAUCHE（カウシェ）」さんとの取り組みです。
こちらは、先ほどのマイクロインフルエンサーの話に関連しますが、仮説検証を繰り返しながら進めた事例です。SNSマーケティングには様々な要素があり、例えばショート動画だけでもTikTok、Instagramのリール、YouTubeショートがあります。その中で、どのプラットフォームで誰を起用し、何をすれば成功するのか、クライアント様と一緒に模索していきました。
結果として、TikTokがアプリのインストールに最も効果的だという仮説に至りました。そこでフォロワーの多いインフルエンサーを起用してTikTokでのプロモーションを行ったところ、動画がバズり、1日で1万ダウンロードが生まれるという結果に繋がりました。
編集部: 1日で1万ダウンロードというのは驚きですね！正直、数字が間違っているんじゃないかと思うほどのレベルです。
有末: そうですよね(笑)。カウシェさんは主婦向けのアプリなので、主婦層に支持されている夫婦インフルエンサーを起用しました。
編集部: そのインフルエンサーを選んだ基準はどのようなものだったのでしょうか？
有末: 直近の平均再生回数やコメントの内容、どのようなファンがついているのかを分析して選定しました。データだけでなく、ファンの質やコミュニケーションの状況を見て判断しました。
本当に驚くべき結果で、社内でもこれを機にアプリマーケティングの勉強会が実施されたほどです。
編集部: それほどの成功を収めた理由は何でしょうか？やはり運もあったのでしょうか。
有末: そうですね、ショート動画のコンテンツはバズるかどうかの要素が多く、予測が難しい部分もあります。しかし、"バズの確度"を上げるために、誰を起用するか、どのプラットフォームを選ぶか、動画の構成や訴求内容を徹底的に検討しました。それらの要素が全て噛み合ったことで、1万ダウンロードという結果に繋がったのだと思います。クライアント様と一緒に勝ちパターンを探りに行けたっていうのが、この成功事例の要因だと考えています。
編集部: 具体的に、どのように確度を上げていったのか教えていただけますか？
有末: まず、誰をアサインするか、どの媒体を選ぶかを検討しました。その上で、動画の構成や訴求内容を詳細に詰めました。例えば、アプリを通じて実際に届いた野菜を見せるか見せないか、といった細かい部分まで検討し、これ以上はないというくらいに作り込みました。その結果、バズの確度を最大限に引き上げられたのだと思います。
編集部: インフルエンサーマーケティングは「数打ちゃ当たる」という印象がありましたが、最近では1つ1つをしっかり考え抜いて進めるのが主流になっているんですね。
有末: そうですね。ユーザーのリテラシーが上がっているため、単に案件動画を投稿しても、思ったように効果が出にくくなっています。どうすればPR動画を楽しんでもらえるか、どうすればバズるかをユーザー目線で考え抜かないと、最近は厳しいというのが現状です。
編集部: では、単にお金をかけて大物インフルエンサーを起用すればうまくいくというわけではなくなってきているんですね。
有末: その通りです。特に昨年10月に施行された規制法の影響で、ステルスマーケティング（ステマ）に対する世間の目が非常に厳しくなりました。以前はPRと明記せずに投稿していたインフルエンサーもいましたが、今はPRが隠されていると炎上することもあります。たとえば、X上で#PRを目立たない場所に入れた投稿が燃えることがあり、クライアント様側のメーカーも被害を受けてしまうことがあります。小賢しい方法は避け、正攻法で取り組むことが大事です。
古田ちほ アドクロ編集部
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