Topics⑦：ちいかわパーク開業の広告
人気漫画「ちいかわ」の施設「Chiikawa Park TOKYO」のオープンを告知する広告です。ポスターは都内各駅で掲出されており、それぞれ異なる“描き下ろし風”のイラストをフィーチャーした全100種の展開となっています。
いずれも「コミック風1コマ」をベースにデザインを展開。背景はピンク一色で統一されており、視認性とブランド認知の両立を図っているように感じます。
各ポスターにはナンバリング（例：No.030/100）が振られており、コレクション性や「自分だけのお気に入りを探す楽しさ」も演出。通勤・通学時の導線上に散らばるように掲出することで、SNS上では「これが一番好き！」といったユーザー投稿が自然と生まれていました。
ファン層を中心に実際の来訪・回遊を誘発する体験型プロモーションといえるでしょう。
Topics⑧：アイドルマスター20周年の広告
新宿駅で展開された、「アイドルマスター」シリーズの20周年を記念した広告です。2週にわたって展開された同広告は、シリーズの歴史とファンへの感謝を込めた構成になっていました。
最初に展開された広告は白地メインで、各シリーズに登場するキャラクターが、ゲーム内の一場面の画像を眺めているデザインでしたが、途中でアイドルマスターでアニメ、ライブ、ゲームなどに触れたファンのメッセージが大量に描かれたビジュアルへと切り替わっていました。
メッセージは、感謝、応援、愛情などの言葉が一面に並び、作品がファンとともに歩んできた軌跡を可視化。メッセージには制作者・声優陣の名も見られ、二重三重の「20周年お祝いムード」が漂っていました。
記念企画にふさわしいスケール感と没入感を感じさせる広告展開でした。
編集部からの一言
7月は「鬼滅の刃 無限城編」関連の広告が印象的でした。
特に目を引いたのが、駅構造を活かして“無限城”に見立てた空間演出です。新宿駅は「迷路のような駅」とも形容される複雑な構造を持ちますが、それを逆手に取り「どこからともなく鬼の気配が迫る」ような不穏さと作中に登場する“無限城”を疑似体験できるような没入感を生み出していました。
また、同時多発的に鬼滅の刃関連の広告が登場したことで、街全体が“鬼滅ジャック”されていたようにも感じます。
「空間を物語世界に引き込む企画」と「作品公開タイミングとの連動性」を両立した施策となっており、映画公開の盛り上がりをそのままに熱狂を生み出していた、そんな試作であったと感じました。
加藤誠也 アドクロ編集部
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