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TOP 記事一覧 ナレッジ 「BtoBの皮を被った、限りなくBtoCな"カメレオンアカウント"の正体」GMOサイン中の人が語る

更新日:2026年07月03日

「BtoBの皮を被った、限りなくBtoCな"カメレオンアカウント"の正体」GMOサイン中の人が語る

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GMOサイン(@GMO_Sign)の中の人です。
私は2025年3月に新卒の頃からお世話になったわかさ生活を離れ、GMOインターネットグループにおいて、インターネットやデジタル取引の「安全」と「信頼」を担うGMOグローバルサイン・HDへ転職しました。電子契約サービス「GMOサイン」公式Xの運用を1人で担当しながら、このコラム連載ではAIアルゴリズム時代における生存戦略を現場視点で、包み隠さずお届けしています。
前回の通常回では、企業アカウント同士が支え合う慣習が「誰が反応するかで投稿の配信先が決まる」今のAIアルゴリズムのもとでは、意図せず配信先まで企業アカウントばかりに寄ってしまい数字が頭打ちになる話についてまとめました。
「企業アカウント同士の“いい関係”がimpを殺していた 企業が陥る企業クラスタというアリ地獄」
GMOサイン中の人が語るGMOサイン公式Xは、BtoBの中でもかなり異質なアカウントです。記事の後半で詳しく触れますが、この"異質さ"こそが、企業クラスタから抜け出すという判断の土台になっています。 今回は、文量の関係から書ききれなかった基本的な戦略やスタンスについて記していこうと思います。

なぜBtoB企業アカウントで、企業クラスタから抜け出すことを決意したのか?

GMOサイン(@GMO_Sign)は、紙の契約書と印鑑をデジタルに置き換え、PCやスマホで安全かつスピーディに契約を完結させる電子契約サービスです。その為、主となるお客様は企業・自治体が中心です。
一般的に、企業を顧客とするBtoBサービスのSNS運用といえば、企業アカウントをターゲットにするのが誰もが思いつく王道の手法だと思います。
しかし私は、2025年10月頃にクラスタ(同じ興味・属性を持つユーザーの集まり)という概念にたどり着きました。企業アカウント同士が数字の支え合いに使っていた相互のやりとりが「企業クラスタ」という狭い檻の中で数字が伸びない構造になっている。
そして自分自身が運営するアカウントはその輪に入っていないにもかかわらず、アルゴリズム上では勝手に"企業"と分類され、配信先を企業へと寄せられている。
そう察した私は、企業クラスタから完全に抜け出す方針を即決しました。
この方針を決めるとき、迷いは一切ありませんでした。「企業クラスタに引っ張られて数字が落ちている可能性があるなら、今すぐ抜け出す方法を考えよう」ただ、それだけでした。
むしろ、明らかにルールが変わっているのに、最新のアルゴリズムがまだ公開されていなかった2025年当時です。このクラスタの概念や大切さに気づいた瞬間、暗闇の中に一筋の光が見えたような感覚を覚えています。
「企業クラスタから抜け出す」と言うと、こう思われるかもしれません。BtoBサービスなのに、なぜ企業の輪に飛び込もうとしないのか。
ここで勘違いされたくないのは、「企業アカウントと一切交流しないと言っているわけではない」ということです。前職の頃から私は「誰とでも仲良くするというより、この企業と一緒にビジネスで何かできないか、投稿でお互いにメリットを返し合えるか。そこを大事にしたい」という考えでした。
一方だけがメリットを受け取るのは、交流や助け合いではなく、ただの利用です。
私も人間ですから、日頃のやりとりの中でこちらを尊重してくれる企業アカウントが困っていれば、力になりたくなる時もありますし、何度か力を貸してきたつもりです。それでも企業アカウント同士の意味がない慣れ合いは基本的に要らない。そう考えています。
ではなぜ、BtoBサービスの会社に転職した今でもここまで言い切れるのか。その考えを明かしていきます。

どれだけ仲良くなっても、導入には至らなかった

前職で新卒1年目に企業のSNS運用を始めた頃、世の中はコロナ禍の真っ最中でした。2年目からはX運用について様々な外部イベントで登壇する機会に恵まれ、アカウントの成長に比例するようにコロナ禍も薄れ、他社との交流も増えていったと記憶しています。
ただ、BtoB企業とのコラボ投稿や交流は片手で数えられる程度で、企業担当者との接点は主に登壇時の名刺交換や企業が集まる交流の場が中心となっていました。
ぶっちゃけると、そうした場で5年の間、数え切れないほどのBtoBサービスの営業をいただいてきました。しかしSNSでの縁がきっかけで、自社へのサービス導入に繋がった経験は一度もありませんでした。どれだけ担当者同士で仲良くなっても、導入には至らなかった。この一次体験が、私の今の考えの根底にあります。

決して環境のせいなどではない

これは、前職のわかさ生活が費用を削っていたとか、外部サービスの導入に特定のルートがあったという話ではありません。
むしろ逆です。広報業務で活用していた掲載媒体の情報を自動収集する「クリッピングサービス」では、自社キーワードだけでなく自分一人の意思で追加費用を申請し、競合他社の関連キーワードも設定。競合他社が毎日どの媒体でニュースになっているかを研究しながら、それらの媒体にわかさ生活からも積極的にアプローチをかけていました。
会社の新聞購読に関しても「出社してからしか読めないから、端末で読めるようにしたい」と追加の有料プランを直訴し、すぐに契約してもらえました。毎朝の満員電車の中、スマホではXを開いてフォロワーに返信し、iPadでは5大紙と日経新聞を読む。そんな毎日を過ごしていました。
「こういう目的があるから、これがしたい」と明確に申請すれば、通してもらえる恵まれた環境でした。新聞については、150人近い社員の中で毎日読んでいたのは私1人だけでしたが、「1人のために有料版?紙で読みなさい」とは言わずに、追加費用のかかる有料版を最後まで契約し続けてくれました。

そもそも、担当者に決裁権がない

「GMOサイン」で例えると分かりやすいと思います。仮に私が、GMOサインを担当するSNS担当者と知り合い、サービス導入の提案を受けたとします。GMOサインは主に各社の法務・総務部門が利用する電子契約サービスです。
広報に属する私にできるのは、せいぜい社内の橋渡し役までです。その時に「私が運営する自社のアカウントと、とても仲良くさせていただいているので導入はいかがですか?話を聞く場だけでも設けてほしい」そんな自分都合の理由で、他部署の担当者の時間を奪ってまで動く気にはなれません。
なぜか?どの会社でも、自社SNSを熱心にチェックしている社員はそう多くないからです。ただでさえ社内の他の従業員から楽で遊んでいるように見られやすいSNS運用ですし、特にBtoC企業では、他社アカウントとの交流を社内が好意的に見ているとも限りません。現場からすると「知らないよ」と言いたくなる話だと思っています。
SNS担当同士が仲良いことは、サービス導入の文脈ではプラスの要素にならず、類似サービスと比べた機能・価格・信頼性が現場の判断基準になるからです。

企業SNSの担当は多くが広報・マーケ・営業職

たまたま「法務担当がいい電子契約サービスを探しているらしい」という話が耳に入れば喜んで動くと思います。広報・SNS関連のサービスであれば自分に決裁権があるので検討できますが、それを超える領域のサービスを現場に持ち込む気力は、よっぽどお得な話や特別プランで無い限りほとんどありませんでした。
だからこそ、5年間で他社SNS担当者から受けたBtoBサービスの提案が、導入に至った経験はゼロだったのです。
企業のSNS担当者は、広報・マーケ・営業職が多くを占め、どれだけ仲が良くても、その人自身にGMOサイン導入を決める権限はありません。決裁するのは、各社の法務・総務部門だからです。
GMOサインを提供する側に話を戻すと、構図はそっくり裏返しになります。前職では、決裁権を持たない私が提案を受ける側でした。今度は、周りの企業アカウントの担当者が、その"権限を持たない側"になります。
ではなぜ、BtoBサービスでありながら企業アカウントの輪に入らず、むしろそこから遠ざかることすら恐れていないのか。その理由をひも解くと、GMOサイン公式Xがもともと描いていた戦略と特殊な強みが見えてきます。
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目指すのは「導入」ではなく「成功事例」
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GMOサイン公式X中の人

著者GMOサイン公式X中の人

大阪府出身。新卒でわかさ生活に入社し、広報として公式Xの運用を担当。独自の発信でファンを形成し「企業公式中の人」人気ランキングで1位を獲得するなど、数々の実績を通じて企業SNSの在り方に影響を与えてきた。現在はGMOグローバルサイン・HDの電子契約サービス「GMOサイン(@GMO_Sign)」公式Xを担当。AIによるアルゴリズム変化の最前線で、仮説検証と数値分析を重ねながら、生存戦略を探り続けている。

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