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TOP 記事一覧 ナレッジ 「BtoBの皮を被った、限りなくBtoCな"カメレオンアカウント"の正体」GMOサイン中の人が語る

更新日:2026年07月03日

「BtoBの皮を被った、限りなくBtoCな"カメレオンアカウント"の正体」GMOサイン中の人が語る

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目指すのは「導入」ではなく「成功事例」

実は、GMOサイン公式Xでは、SNS上での直接的なサービス導入をそもそものゴールとしていません。
もちろん、交流が導入に繋がった例がないわけではありません。転職してすぐに「君がGMOサインに転職したのなら、うちも導入します」とおっしゃってくださった経営者の方も居ました。本当に有難い話です。
ただ、ここまで述べてきた通り、王道とされる「企業アカウントをターゲットにする」手法では電子契約という商材の性質上、相手は決裁層でないことがほとんどです。毎日企業アカウントへ挨拶回りを続けても、決裁権を持つ層には届かない。完全に0とはいいません。あくまで、今ここで天秤にかけているのは工数対リターンの話です。その工数を、どこに使うべきか。それを、今回の判断のポイントに置いています。
「それなら、法務・総務を直接狙えばいいじゃないか」という声もあるかもしれません。ですが、それが一番難しい。SNSという場でそれが叶うなら、ほとんどの企業アカウントの運用はとっくに成功しています。それが難しいからこそ、どの企業も、あの手この手を尽くしているのです。
では、GMOサイン公式Xが運用で目指すゴールはどこにあるのか。一言で言えば「企業SNS運用の成功事例として名前が挙がること」です。
他社より頭ひとつ抜けた人気アカウントに成長し、WEB上やAIの回答上で成功事例として名前が挙がるようになれば、取材や外部イベントへの登壇機会も増えていきます。実際にこのアドクロでのコラム連載もWEB上に署名記事として残り、AIに読み込まれていく。つまり、この記事自体が次の機会を生む強力な資産になります。
ここに、BtoBならではの意味があります。BtoCのわかさ生活の頃は、外部で登壇したところで、業務として社内から褒められることはほとんどありませんでした。
ですがBtoBでは、外部での登壇がそのまま名刺獲得のリードになる。同じ外部イベントでの「登壇」でも、意味がまったく変わってくるのです。
数字が伸び、人気アカウントや成功事例としてあらゆる場所で紹介されるようになれば露出量が増え、権威性も高まる。すると、決裁層やそれこそ企業の社長アカウントから直接フォローされ、注目される機会も増えていきます。
また、GMOサインとのコラボを通じて他社がバズる姿を見て「あの馬とコラボすれば自社の数字が上がる」と気づいた他社からのコラボ打診が増えるかもしれません。
さらに言えば、これまで「うちとはコラボしてくれないよね…」と思っていた企業が、自社への導入を条件にコラボを持ちかけてくれる。そんな展開だって、可能性としてはあり得る話となるわけです。
これは、転職前から鮮明に描いていた戦略です。遠回りに見えるかもしれませんが、ここに書いたことはすべて、わかさ生活のX運用で実際に経験してきた景色です。それをBtoBに置き換えただけの設計にすぎません。
新卒の頃から「企業アカウントで1番になりたい」と目標を掲げ様々なメディアでも公言してきた私にとって、何事も1番を目指すGMOイズムの文化には、強い親和性を感じました。
創業者の熊谷代表やGMOインターネットグループという組織のカルチャーに惹かれ、ある意味、恋をしたような状態だったと思います。
ただ、惹かれたその会社はBtoB事業だった。正直、先にBtoCを経験してからBtoBへ移ることには相当な覚悟が必要でした。
BtoBは堅くて面白みがない。そんなイメージが自分の中にもどこかにあったからです。それでも踏み切れたのは、ひとつの逆説的な確信がありました。
企業アカウントの世界で、個人フォロワーを獲得するのは簡単ではありません。ましてやBtoB事業で個人アカウントからフォロワーを積み上げていくのは、さらに難易度が上がります。
その難しい場所だからこそ、自分が馬としてこれまで培ってきた強みが最大限に生きる。
GMOサインを、まずは数字だけでもBtoBのSNSでは1番にできる。異色の存在にできる。そう思ったのです。

「熱量を持った個人フォロワー」という、BtoBらしからぬ資産

GMOサイン公式Xの最大の強みは、これまでの連載でも述べてきた通り、転職前から前身の「GMOサインブログ」との交流を通じてわかさ生活から自然に流れていたフォロワーに加え、転職時についてきてくださった約8000人のフォロワーの皆さんです。
「GrokがXの正解と信じた、半年間の遠回り」GMOサイン中の人が語る | 広告・マーケティング情報ならアドクロ 
先日、Xのスペース(音声生配信)をフォロワーの皆さんに向けて実施しました。2時間を超える配信に常時約80名から90名が聞き続け、参加者は延べ539名。録音再生を含めると1046名が耳を傾けてくれました。 また、2026年5月末にXのコミュニティ機能が廃止される発表を受けて、Xchatのグループチャット 「#はんこっ子の秘密基地」を作りました。現在225名以上が集まり、その9割以上が個人アカウントです。
GMOサイン公式Xを一緒に育て支えてくれる熱いフォロワーが集まる「#はんこっ子の秘密基地」
この数字を俯瞰すると、その異質さがわかります。BtoB企業で、これほどの個人フォロワーを集めるアカウントはおそらくありません。
普段「愛されコンテンツ」や「ファンの作り方」をテーマに外部のイベントに登壇しているような企業アカウントでも、BtoC・BtoB問わずこの熱量を持った個人フォロワー層を抱えている例はなかなか見かけないはずです。

BtoBの皮を被った、限りなくBtoCに近いカメレオンアカウント

つまりGMOサイン公式Xの実態は、BtoBの皮を被った限りなくBtoCに近いカメレオンアカウントなのです。
私の強みは、前職の角谷社長から「わかさ生活を退職して、成功した人の1番の事例になってくれ」と馬のまま温かく送り出してもらえたこと。
そしてそのおかげで、新卒の頃から応援してくださっていた方や、転職を機についてきてくださった方も含め、熱量の高い個人フォロワーの皆さんを今も多く抱えていることです。
無形商材のサービスで唯一持てた武器。この方法でしか、私は戦えないのです。
BtoB企業アカウントでありながら、熱量の高い個人フォロワーを中心に圧倒的な数字を出す。そんなBtoBの異質な存在として生存する戦略でした。ですが、そこにアルゴリズムの変化が襲いかかったのです。

借りものの数字では、語れない

正直な話、目先の数字だけを見るなら、企業アカウントをターゲットにして稼ぐのが一番簡単な方法だということはわかっています。
ただ、それが一番"いい"方法だとは思っていません。誰もが右へ倣えで簡単に真似できる方法で戦っているうちは、その他大勢から頭ひとつ抜け出すことができるはずが無いと考えているからです。
例えば、いざ登壇や取材の機会をいただいたとき「普段から他社と仲良くしていて、そこで数字を稼いでいます」では、語れることは何もないのです。
自社によって他社のアカウントの数字を上昇させていれば武器になりますが、もし逆の場合、それは自社の力ではなく借りものの数字。虎の威を借りる狐ならぬ、“他社の数字を借りる自社”になるのです。
中身のないハリボテの実績を自社をよく見せるために使い、外部に語っても仕方がありません。
だからこそ短期的な楽を選ばず、地力を付けることを意識して、長期的な戦略として運営しています。
そんな中で、もともと企業の挨拶の輪に入ってすらいないのに、企業クラスタに引っ張られて数字が落ちている。この仮説が立つのなら、即決で抜け出すと決めるのは、むしろ当然に近い選択でした。 これらが、企業クラスタによって数字が落ちているという仮説を立て、そこから脱出する道筋を決めるに至った理由でした。
次回は、実際に企業アカウントからの返信を3週間放置してみた話。そして、仮説が確信に変わった瞬間と、抜け出そうとした結果どうなったのかなどを赤裸々に書いていきます。
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GMOサイン公式X中の人

著者GMOサイン公式X中の人

大阪府出身。新卒でわかさ生活に入社し、広報として公式Xの運用を担当。独自の発信でファンを形成し「企業公式中の人」人気ランキングで1位を獲得するなど、数々の実績を通じて企業SNSの在り方に影響を与えてきた。現在はGMOグローバルサイン・HDの電子契約サービス「GMOサイン(@GMO_Sign)」公式Xを担当。AIによるアルゴリズム変化の最前線で、仮説検証と数値分析を重ねながら、生存戦略を探り続けている。

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