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TOP 記事一覧 ナレッジ 「X運用で初めて挫折し、企業クラスタを抜け出すために企業と距離を置いてみた3週間」GMOサイン中の人が語る

更新日:2026年07月15日

「X運用で初めて挫折し、企業クラスタを抜け出すために企業と距離を置いてみた3週間」GMOサイン中の人が語る

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抜け出すことを考えるのが普通だった

もし本当に企業アカウントの皆さんからの反応によって、GMOサイン公式X最大の強みであったはずの個人フォロワーの皆さんへ投稿が届きにくくなっているのだとしたら。
企業クラスタという箱から抜け出す。答えは、ひとつでした。
ここで勘違いされたくないのは、企業アカウントの皆さんが悪いわけではないということです。あくまで、住んでいるツールの世界が変わっただけ。無料でアカウントを運用する以上、その世界のルールに従うのがさだめです。
そして、自社の数字が原因不明に下がり続ける以上、仮説を立てて手を打つ。なんとか生存戦略を見つけだして数字を残すことが、会社という組織で働く自分のやるべきことだと思っていました。
一度入った箱を抜け出すのは、決して容易ではない。毎日のAIとの対話を通じて、なんとなくわかっていました。それでも数字が減り続けている以上、やるしかない。そう決意していました。
2025年当時、私はXのアルゴリズムにこんなイメージを持っていました。投稿はまず所属クラスタに配信され、そこで反応が深まるほど同じクラスタに属するユーザーへの配信が強化され、その反応が所属の判定を固めていく。抜け出そうとしても、初速で抜けたいはずの住人が反応すれば、かえってその一員だと認識される。前述の通り、まさにアリ地獄のような構造だと感じていました。
「企業アカウント同士の“いい関係”がimpを殺していた 企業が陥る企業クラスタというアリ地獄」GMOサイン中の人が語る
しかし、毎日AIとの壁打ちを重ねる日々のなかで、ぼんやりとした仮説が確かな手応えへと変わっていった発見が、2つありました。 1つは、アカウントが複数のクラスタに同時に所属しているということ。
これは2023年公開のアルゴリズムでも、ひとりのユーザーが複数のコミュニティで認知され得る仕組みとして説明されています。アカウントは、ひとつのクラスタに固定されているわけではなかったのです。
2つ目は、そのクラスタの所属がおよそ3週間周期で変動しているという仮説。
約145,000個あるとされたコミュニティが3週間ごとに更新されるという話は、当時から界隈でも広く語られていました。
この2つが本当なら、答えは見えてきます。
所属するクラスタは固定ではなく、3週間という周期で塗り替えられる。ならば、その更新のタイミングに合わせて、アカウントの所属を「企業」から書き換えてしまえばいい。
この考えにたどり着くまえに、いくつもの仮説検証を繰り返してきました。
1、投稿についた返信順を整理
初速の反応層へ投稿が拡張されるのを防ぐため、拡散シグナルとして強い返信において、自分が届けたい方向である個人アカウントからの返信を先に返し、企業アカウントへの返信は時間を置いてから行うようにしました。
2、フォロー欄の整理
半年以上リプライのやり取り等がなく、実質的な関わりがなかったアカウントが非常に多い状態でした。フォロー全体に占める企業アカウントの比率を下げ、自アカウントの企業色を少しでも薄める努力をしました。
3、Proプロフィールのカテゴリラベルを変更
アカウントの属性を一目で示すカテゴリを、外からは見えない非表示にしたうえで、IT企業という設定から日々の投稿に近いエンタメ系の属性へ切り替え、企業というシグナルを弱めてみました。
4、プロフィール文章の見直し
企業アカウントとしての属性をアルゴリズムに強く読み取られやすい表現を薄め、企業色を抑える方向に書き換えてみました。
どれも、これで改善できるはずと信じて打った手でした。毎回、答えを見つけたとワクワクして動くのに結果には繋がらない。だったら最後にやることは、ひとつでした。
企業クラスタを抜け出すために、3週間、徹底的に行動を絞り込んで検証する。

新卒から数えて、初めての挫折だった

徹底的にやらなければ、これまで費やしてきた時間や数字に対して諦めがつかない。このまま今日死んだら、タイムラインに幽霊として出てしまいそうだなと本気で思いました。徹底的にやり切ることで、諦めの悪い自分でもようやく諦めることができる。そう思ったのです。
新卒で広報に配属されたのち、エゴサーチを武器にアカウントを伸ばし、複数WEB媒体で取材を受けて社内でも「新人賞」をいただいた2020年。外部メディアの「Twitter中の人人気ランキング」1位を獲得し、初の雑誌取材や登壇を重ねた2021年。馬を通じた他社コラボのバズが何度もバズとなり、2度も年間impが3億に達して、トレンド1位や世界トレンド入りなども経験させてもらった2022年~2024年。
覚悟を決めて転職し、ただの一社員の転職にも関わらず複数媒体で報道いただきたのち、転職後の初めてのポストがGMOサイン過去最大のバズを記録した2025年の2月~3月。
BtoB企業に転職してから、エゴサーチで伸ばす方法は物理的に使えなくなった。
アルゴリズムの変更で、投稿も伸びなくなった。
コラボで他社をバズらせることも、できなくなった。
Xを強みにGMOという組織に入れてもらったのに、そのXの数字がひたすら減り続けている。
本当に悔しかったし、振り返れば、新卒からのX運用で初めて味わった挫折でした。同時に、ここまで挫折を知らずにすべてが上手くいっていたことこそが、自分の最大の弱点だったと気付いた瞬間でもありました。

3週間、企業アカウントの反応を放置してみた

かねてより、12月に他社アカウントへ訪問の予定がありました。そこで最高の結果を出すため、そのタイミングに合わせて、3週間前から徹底的に企業アカウントからの反応を放置してみることにしました。
普段から企業の相互挨拶の輪には入っておらず、気になる投稿があれば絡みにいくくらいの距離感です。そんな輪にいないGMOサイン公式Xにリプしに来てくださる企業アカウントは、普段から馬をリスペクトしてくださっている方が多いと感じています。だからこそ、心苦しさもありました。
それでも、ここで中途半端にやれば何も確かめられないまま終わってしまう。心の中で手を合わせながら、3週間、徹底して企業アカウントの反応を返さずに過ごしました。
結果として、コラボ投稿はバズとなり、久しぶりに多くの人へ見てもらうことはできました。
しかし、それ以降の数字を見ても、GMOサイン公式Xが企業クラスタから抜け出せたという実感は、得ることができませんでした。

何をしても、無理な話だった 

アルゴリズムのオープンソース化やAIの進化が進み、理解が深まった2026年の今だから言えることがあります。
私がクラスタの根拠としていたSimClustersは、2023年に公開された当時のアルゴリズムの仕組みです。そしてSimClustersが、どのクラスタに振り分けるかを決める基準は、フォロワー層の重なりでした。
企業が運営するアカウントは、当たり前のように数多くの企業アカウントからフォローされています。さらに個人フォロワーの皆さんの中にも、企業アカウントが好きで複数フォローしている方は一定数いらっしゃいます。企業からも、その一部の個人からも、たどり着く先は同じ企業アカウントの集団。同じ人たちにフォローされているアカウント同士が近い箱に入る以上、企業クラスタと深く重なるのは当然のことだったのです。
箱を決めていたのは「企業かどうか」ではなく「誰にフォローされているか」プロフィールを書き換えようと、フォロー欄を整理しようと、そこは根本的には関係ない話だったのです。
ちなみに、当てにした3週間という周期も、現在に至るまで公開コードに裏付けは見つけられず、ソースをもって説明できる話ではありません。界隈の通説どまりです。 
当時の私が試みた施策は、根本的な原因に届いていなかった。企業クラスタから抜け出すことは、なにをしてもそもそも無理な話だったのです。
徹底的にやり切ったからこそ、私はこの戦いを、一度潔く負けと認めました。普通なら心が折れるのでしょうが、諦めの悪い馬は負けを認めてからも次の手を探し始めていました。
ルール変更の発表もないまま、アルゴリズムが変わった2025年。その裏側でGMOサイン公式Xが挑んでいた挑戦について、赤裸々にまとめました。
この後、年末年始に「企業クラスタにより投稿の拡張が止まる現象は本当にあったんだ」と半信半疑が確証へ変わった瞬間や、2026年1月にAI式アルゴリズムのオープンソースがついに発表され、終わったはずの戦いが姿を変えて再び現れた話などを、以降の連載で書いていくつもりです。
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GMOサイン公式X中の人

著者GMOサイン公式X中の人

大阪府出身。新卒でわかさ生活に入社し、広報として公式Xの運用を担当。独自の発信でファンを形成し「企業公式中の人」人気ランキングで1位を獲得するなど、数々の実績を通じて企業SNSの在り方に影響を与えてきた。現在はGMOグローバルサイン・HDの電子契約サービス「GMOサイン(@GMO_Sign)」公式Xを担当。AIによるアルゴリズム変化の最前線で、仮説検証と数値分析を重ねながら、生存戦略を探り続けている。

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