新宿は、JR、東京メトロ、都営地下鉄、京王、小田急など複数の鉄道路線が集まる東京を代表するターミナルエリアです。駅構内には大型ビジョンやデジタルサイネージ、駅ポスター、シート広告など多様な広告媒体があり、駅周辺にも屋外ビジョンや施設広告などさまざまなOOH広告があります。
一方で、新宿は媒体の種類が多く、「新宿で広告を出したいが、どこを選べばいいのか分からない」「予算に対してどの程度の広告が実施できるのか分からない」というケースも少なくありません。
この記事では、新宿駅・新宿エリアで実施できる主なOOH広告の種類や費用の考え方、実際に展開された広告事例、媒体を選ぶ際のポイントを紹介します。
新宿でOOH広告を出すメリット
新宿のOOH広告の特徴は、駅利用者だけでなく、買い物客、観光客、ビジネスパーソン、学生など幅広い層との接点を作りやすい点にあります。
特に新宿駅周辺は、東口・西口・南口など出口によって街の性格が異なります。東口側には歌舞伎町や商業施設、西口側にはオフィス街、南口側には大型商業施設やバスタ新宿などがあり、同じ「新宿」でも狙う場所によって接触する人の属性が変わります。
そのため、「新宿に出す」というだけで媒体を決めるのではなく、誰に届けたいのか、その人がどの導線を通るのかまで考えて媒体を選ぶことが重要です。
新宿で実施できる主なOOH・駅広告
大型デジタルサイネージ
新宿駅には、大型画面や複数面のディスプレイを使ったデジタルサイネージがあります。静止画だけでなく動画を使える媒体もあり、商品の世界観やブランドイメージを映像で伝えたい場合に向いています。
JR東日本の「新宿BBB」や「SHINJUKU M-VISION」など、新宿駅構内には大型のデジタル媒体が設置されています。媒体によって設置場所や画面サイズ、放映回数が異なるため、利用者の動線とあわせて選ぶ必要があります。
駅ポスター・連貼り広告
駅ポスターは、新宿駅で実施できる比較的スタンダードな広告媒体です。1枚だけ掲出する方法だけでなく、複数枚を連続して掲出することで、通路やホームに大きな広告面をつくることもできます。
例えばJR新宿駅では、B0ポスターを複数の場所に展開する連貼り媒体などがあります。大きなビジュアルを見せたい場合や、複数のクリエイティブを連続して見せたい場合に活用しやすい媒体です。
大型シート・壁面広告
駅構内の壁や通路を広く使うシート広告は、通常のポスターよりも大きな面積で広告を展開できます。新宿駅では中央東改札付近の通路シートや、階段・柱周辺を使った媒体などがあります。
通路全体を広告の世界観に変えられるため、新商品や映画、ゲーム、エンタメ作品などの大型キャンペーンでも活用されています。
駅ジャック・大型展開
複数の広告面をまとめて使い、駅構内の一定エリアを広告で占有する方法もあります。京王新宿駅では、JRとの連絡通路に大型ポスターを連続して掲出できる「新宿アドストリート」などがあります。
一つの広告を見るのではなく、移動しながら複数の広告に接触してもらえるため、ブランドの世界観を強く印象付けたい場合に向いています。
新宿駅周辺の屋外広告・施設広告
新宿のOOHは駅構内だけではありません。歌舞伎町や新宿サブナード、商業施設周辺にはデジタルサイネージや館内広告などがあり、街を訪れる人に向けて広告を出すこともできます。
駅広告よりも特定の商業エリアや施設利用者に近い場所で訴求できるため、店舗集客やイベント告知などでは駅周辺の媒体も候補になります。
新宿のOOH・駅広告の費用
新宿のOOH・駅広告は、数万円台から実施できる駅ポスターから、1,000万円を超える大型デジタルサイネージのジャックまで、媒体によって費用に大きな幅があります。
そのため、「新宿で広告を出すにはいくら必要か」というよりも、予算に応じてどの規模の媒体を選ぶかを考えるのが現実的です。
新宿駅の広告料金例
以下は、2026年9月現在の主な広告料金例です。
比較的始めやすいのが駅ポスターです。JR新宿駅のB0駅ポスターは7日間84,000円、東京メトロ新宿駅のB0駅ポスターは66,000円となっています。
より大きな広告面を使う場合、JR新宿駅の「SHINJUKU M-VISION」は、1週間のロール放映で400,000円、1社買切りでは2,000,000円です。
東京メトロ新宿駅の大型広告では、「新宿メトロツインプレミアムセット」が7日間1,000,000円、「新宿メトロスーパープレミアムセット」は1面1,400,000円、4面すべてを使用する場合は5,000,000円となっています。
さらに大規模な展開では、JR新宿駅南改札の大型デジタルサイネージ「新宿BBB」が、1週間のロール放映で7,500,000円、BOX・BLOCK・BELTをまとめて1社でジャックする場合は16,000,000円となっています。
媒体費以外の費用にも注意
実際の出稿では、広告枠の料金だけでなく、デザイン制作費、ポスター印刷費、シート出力費、施工費、撤去費などが別途必要になる場合があります。
例えば京王新宿駅の「新宿アドストリート(A+B)」では、B0サイズ32面を使った大型展開が可能で、媒体費とは別に制作費・作業費の参考価格として760,000円が案内されています。
また、広告料金や販売条件は改定されることがあります。実施時期や空き状況によっても条件が変わるため、実際に検討する際は最新の料金を確認する必要があります。
新宿で実施されたOOH広告事例
新宿では、単に大きな広告を掲出するだけでなく、駅という場所を活かした体験型のOOH広告も数多く展開されています。
『LaLa』50周年「めくれる巨大まんが」
白泉社は、少女漫画誌『LaLa』の創刊50周年を記念し、2026年7月に東京メトロ新宿駅メトロプロムナードで「めくれる巨大まんが」を展開しました。
作品の特徴を表すワードをめくるとタイトルが現れる仕掛けを採用し、広告を見るだけではなく、実際に触れて作品を探す体験をつくっています。駅の通路を展示空間として活用した事例です。
ブルボン「プチクマ」の立体広告
ブルボンは、2026年6月に新宿駅メトロプロムナードで、キャラクター「プチクマ」を大型の立体仕様で表現した広告を展開しました。
平面の広告ではなく、触りたくなる立体表現や持ち帰れる仕掛けを取り入れることで、通行者が足を止めるきっかけを作っています。駅広告をSNS投稿につながる体験として設計した事例です。
「100のツボシリーズ」33面広告
株式会社壺中天は、2026年7月から8月にかけて、新宿駅構内で書籍「100のツボシリーズ」の広告を展開しました。
京王線とJRをつなぐ中央地下道に合計33面の広告を掲出し、通路全体を「人事の地図」として構成しています。複数の広告面を連続して見せることで、書籍の内容そのものを駅の移動体験に組み込んだ事例です。
『黒月のイェルクナハト』ピールオフ広告
講談社は、2026年8月に新宿駅プロムナードで『黒月のイェルクナハト』のピールオフ広告を実施しました。
ヒロインを等身大で描いた特製クロスを広告面に設置し、通行者がその場ではがして持ち帰れる仕掛けを採用しています。広告を見る人を参加者に変えることで、作品への関心を高める施策となっています。
ミニストップ「北海道ミルクソフト」
ミニストップは、新宿駅メトロプロムナードで主力商品「北海道ミルクソフト」の大型交通広告を展開しました。
TVCMと連動したビジュアルを使いながら、駅という日常的な接点で商品を訴求しています。マス広告とOOHを組み合わせ、キャンペーン全体の接触機会を広げた事例です。
銀のさら×『龍が如く』
銀のさらは、『龍が如く』とのコラボレーションとして、新宿駅にポスター広告を掲出しました。
ゲーム内に登場する架空店舗「銀のさら神室町店」の開店を告知する内容で、歌舞伎町をモデルとする作品の世界観と、新宿という実際の場所を重ね合わせています。広告を掲出する場所そのものを企画に取り込んだ事例です。
新宿でOOH広告を選ぶときのポイント
「新宿」ではなく、どの導線を狙うかを決める
新宿は非常に広いため、「新宿駅に広告を出す」という条件だけでは媒体を絞り込めません。東口、西口、南口のどこを利用する人に届けたいのか、JR、東京メトロ、京王などどの路線の利用者を狙うのかを整理する必要があります。
店舗集客であれば店舗へ向かう導線、採用広告であれば通勤者が多い導線、エンタメ系の広告であれば商業エリアへ向かう導線など、目的によって適した場所は変わります。
広告の大きさだけで媒体を選ばない
大型広告は目立ちやすい一方で、ターゲットが通らない場所に出しても効果的とは限りません。媒体の大きさだけでなく、広告を見る人、通行方向、滞在時間などを含めて考えることが重要です。
クリエイティブと媒体をセットで考える
新宿の事例を見ると、立体広告、ピールオフ、連続掲出など、媒体の特徴を活かした企画が多く見られます。
最初に広告クリエイティブを完成させてから媒体を探すのではなく、媒体の大きさや場所、通行者の動きに合わせて企画を考えることで、OOHならではの表現につながります。
新宿のOOH広告事例をもっと見る
アドクロ編集部では、新宿で実際に掲出されているOOH広告を継続的に取材・紹介しています。
最新の大型広告やデジタルサイネージ、駅広告などを確認したい場合は、以下のOOHレポートも参考にしてください。
今後、新宿のOOHレポートや広告事例が増えた場合も、このページから確認できるよう随時更新していきます。
まとめ
新宿では、駅ポスター、デジタルサイネージ、大型シート、駅ジャックなど、目的や予算に応じてさまざまなOOH広告を実施できます。
一方で、同じ新宿駅でも路線や改札、出口によって人の流れが大きく異なります。そのため、広告の大きさや料金だけで決めるのではなく、「誰に届けたいか」「どこへ向かう人に見せたいか」を整理したうえで媒体を選ぶことが重要です。
OOH広告全体の種類や費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。
