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TOP 記事一覧 ナレッジ 「転職する名物SNS担当者からアカウントを受け継いだのは、社内で一番のファンだった」わかさ生活 現X担当者とGMOサイン中の人対談

更新日:2026年08月19日

「転職する名物SNS担当者からアカウントを受け継いだのは、社内で一番のファンだった」わかさ生活 現X担当者とGMOサイン中の人対談

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後任に求めたのは、運用スキルではなく距離感を掴めること

ーー後任を指名する上で重視していたことや考えていたことはありますか?

馬:まず運用を第三者視点で客観的に見られることです。Xって直接社外の方とコミュニケーションが取れるツールなので、その距離感がわかる人じゃないと駄目だなと思っていました。小さなアカウントならまだしも、すでに影響が大きくなっている現状もあったので。
ただ、この距離感って正直センスや感覚の部分も大きいんです。だから普段からXに慣れ親しんでいる人がいいなと考えていました。
現X担当:私、昔からXを見るのが好きで。企業アカウントも個人の投稿もわりと日常的に見てるんですよね。もともと細かいことが気になる性格で、言葉の使い方とかユーザーとの距離感とか。企業アカウントだからって偉いわけじゃないし、対等でいたいなってずっと思ってて。そういう感覚がたまたま運用にちょうど良かったのかもしれないです。
馬:僕は会社を辞めてもXの世界にはいるので、何かあれば手助けもできればいいなと思っていました。そのため、自分がいなくなった後も連絡を取り合える人で、すぐ辞めなさそうな人がいいなと考えていました。
SNSは短期間で担当がコロコロ変わると、そのたびに空気感が途切れてしまいます。だからこそ腰を据えて長く運営してくれそうな人に託したかったんです。こういう条件を全部満たしていたのが現X担当さんでした。
現X担当:そこまで考えて選んでもらえたのはすごく光栄ですね。軽い気持ちでは、引き継ぎできないという責任も感じていて。馬さんが積み上げてきたフォロワーさんの中には、数年前から、馬さんやわかさ生活を応援してくれている方がたくさんいます。その方々に受け入れてもらえるのか、これまでと変わらず楽しんでもらえるのか、不安はすごく大きかったです。
だからこそ最初は「自分らしく」というより、これまで築かれてきた空気感やファンの皆さんとの距離感を壊さないことを一番に考えていました。その上で少しずつ自分の色も加えて、今のわかさ生活らしいアカウントを作っていこうとしています。
馬:わかさ生活ってXの他にも、YouTubeも担当の子が持ち前のセンスで伸ばしていて有名なんです。若手のやりたいことを積極的にやらせてくれる裁量権の大きい会社で。
もともとは新卒で手を挙げて、Xを始めた僕がたまたま注目されてから「SNSはやりたい若手に任せよう」という風潮ができて、そのあと動画が得意な子が現れてYouTubeも伸ばした。外から見れば良い流れなんですけど、僕はこれを“たまたまが続いている状態”だと思っていたんです。
挑戦できる環境は本当に素晴らしい。ただSNSに関しては、空気や距離感を読めない人が今までと同じノリで攻めた発信をすれば、炎上は一瞬で起きる。信頼を積み上げるのは難しいのに、失うのは一瞬なんです。だからこそ信頼できる人に託したかったんです。

ーー引き継いでから、現X担当さんが表に立って話す機会も出てきたと思うんですが、そこで何か感じたことはありますか?

馬:先日、運営を引き継いでから初めて現X担当さんが登壇した外部イベントに参加しました。あのように運用の成功事例として招かれる場だと、過去の馬の文脈を一切出さずに「私が今このアカウントを運営しています。最近はこんな感じです」と自分の運用成果みたいに話すこともできてしまうと思うんです。
現X担当:いや、そんなの普通できないですよ。みんな馬さんがこのアカウント育ててきたって知ってますし(笑)
馬:でも、発信する場がある人の言葉って、本人がそう思わせようとすれば事実みたいになってしまうことって世の中によくあると思っていて。積み上げの経緯を省けば、今ある結果を全部自分の運用による手柄みたいに語ることもできると思うんです。
でもこの現X担当さんはきっちり馬の文脈を入れて「ここまで馬がアカウントを育てた状態から、どうしようか迷いながら試行錯誤した」と事実ベースで正直に話してくれてました。それがすごく信頼できるなと。だから引き続き困った時は今後もお互い協力しようって思えましたね。

ーーアカウントを引き継いでみて、馬さんの凄さを感じたことはありますか?

現X担当:一番感じたのは、フォロワーさんを「数字」ではなく「人」として見ていることです。imp数(表示回数)やフォロワー数ももちろん大事ですが、それ以上に「この投稿を見た人はどう感じるかな」「この言葉なら伝わるかな」と、常に受け取る側の視点で考えているんです。だから何気ない一投稿でも「なぜこのタイミングなのか」「なぜこの言葉なのか」という理由がちゃんとある。
ただ面白い投稿を作るんじゃなくて、ファンとの関係を積み重ねるための投稿になっているんだなと引き継いでから何度も感じました。
馬:自分では無意識の感覚なんですが、「なんでこのタイミング?」「なんでこの言葉?」って聞かれると、スラスラと答えられるんですよね。「ああ、自分でもちゃんと考えてやってるんだな」って気付かされました。新卒の頃からずっと、Xに向き合ってきた甲斐はあったのかなとは思いますね。
現X担当:投稿を作るにしても、その裏側が全然違うんです。日々のimp数やフォロワーの反応を細かく分析して仮説を立て、次の投稿に反映している。その積み重ねがあるからこそ再現性のある運用になっているんだと感じます。
一見「ただユニークな投稿をしている会社」に見えるんですが、その裏には徹底した分析と設計がある。楽しさを届けて終わりじゃなく、その先でしっかり結果を出すことを考えた“勝ちにいくSNS運用”をしているなと気付かされました。それが馬さんの凄いところだと思っています。
しかも、私生活も含めて常にXと繋がっているような生活をしてるみたいで。正直少しバカげていると思うくらいの熱量なんです。
馬:会社のX担当するとき、私用のSNSアカウントを全部捨てましたから、一般的に考えると確かに馬鹿げてるのかもしれません…(笑)
Xのことを考える状態を全然苦にしてないというか、しんどさ無しにできてしまうこと。もしかすると、それが僕の一番の強みなのかもしれないですね。
現X担当:もう1つ凄いなと思っているのが、投稿を1回で終わらせないところです。メディア露出や自身のコラム連載、講演の登壇だったりと、伏線を回収するようにその後に上手く活用していく。というより投稿する前から、その後どう活用するかまで想像しているんだと思います。
メディアや登壇の数を見ても普通のSNS担当者の枠を超えている気がしますね。

ーーアカウントを引き継いで大変だったことはありますか?

現X担当:馬さんが今まで築いてくれた土台があったおかげで、投稿はある程度伸びてくれる環境からのスタートでした。ただ1つ1つの投稿を「どう作るか」は本当に苦労しました。
馬:少し頑張ればすぐ4桁のいいねがつくような状態で引き継いだので、いい投稿をすれば他社よりバズりやすい土台があるのは間違いないと思います。
実際、僕が抜けて少し経った後の投稿でも4万いいねを超えたものがありましたよね。でも、土台があるからといって全てが伸びるわけじゃない。伸びる投稿をしないと全然伸びないんですよね。
現X担当:「Xをやってみたい」と手を挙げてくれたメンバーに、実際に投稿を作ってもらったこともあるんです。これだけ大きな土台があるアカウントなのに、思ったように伸びないし、反応も返ってこないんですよ。これには正直、驚きましたね。
馬:それは僕も在籍時に経験があります。土台があるから、誰がやっても伸びるとはならないんですよね。何が違ったと思いますか?
現X担当:馬さん、私、新しいメンバーのそれぞれの投稿を比べてみたら1つの大きな違いに気付いたんです。それがファン視点でした。
私自身、このアカウントを引き継ぐ前から社内で一番のファンだと思うくらい馬さんが運営するわかさ生活のXが好きでした。だから馬さんの投稿にあったものが何となくわかったんです。Xって画面越しに投稿の裏側にある気持ちが不思議なくらい伝わる。「自分が目立ちたい」だけなのか「ファンに楽しんでもらいたい」のか。ブランドへの愛情も、これまで築いてきたファンとの関係も、前任者へのリスペクトまで、フォロワーさんはちゃんと感じ取っているんだと思います。
とはいえ引き継ぎ当初は「馬が好きで馬が運営するわかさ生活だからフォローした」という人たちが私が引き継ぐことで離れてしまうんじゃないかって不安もあったんですけどね。
馬:これはよく勘違いされるんですけど、僕の転職が大きな反響となってニュースなどにも掲載されて、GMOサインのフォロワーは確かに増えました。でもそれって、わかさ生活のフォローを辞めてGMOサインをフォローしてる訳じゃないんです。多くの人が、両方をフォローしてくれているはずなんです。あくまで馬が入り口のきっかけだっただけで、わかさ生活を好意的に思って、会社のファンになってくれた人が多いんだと思います。
現X担当:その言葉に近いことを、わかさ生活代表の角谷からも言われたんです。「馬は馬自身のファンも作ったけど、それ以上に“わかさ生活のファン”を作ってくれた。だから担当者が変わっても、新しい担当者自身を応援してくれるファンと会社そのものを応援してくれるファン、その両方を作っていけばいいんだよ」と。それを聞いて、すごく気持ちが楽になりましたね。
馬:角谷社長らしい言葉だなと思います。僕自身、在籍中にそこまで言語化してもらったことはなかったので、後任にそう伝えてくれていたのは初めて知りました。
現X担当:私、サッカーが好きなんですが、応援しているチームの好きな選手が移籍したからってチームの応援をやめる人ばかりじゃないんですよね。選手も応援するけど、それとは別に、チームそのものに愛着がある。
角谷の話は、まさにそれだなと。だから今は、馬さんが築いてくれたファンとの関係を大切にしながら、私自身の発信で「この人が運営するわかさ生活も好きだな」と思ってもらえるアカウントにしていきたい。同じことを繰り返すんじゃなく、新しい挑戦も続けて、さらに成長させていきたいです。

「馬のバズを超えます」と宣言する新人たち

ーー実際に、SNSを担当したいと入社する方は多いのでしょうか?

現X担当:はい、多いです。そういう意味では、SNSが採用に繋がっているとも言えると思います。毎年、数人はSNSをやってみたいと声をあげてくれます。ただ「SNSを運用してどうしたいの?」と聞くと、“バズ”が目的なんですよ。「とにかくバズりたい」と。なかには「絶対に馬の過去最高のバズを超えます」と宣言した子もいました。
でも悲しいことに、バズること自体が目的になっていて、その先の設計がないんです。SNSはバズる投稿を作る仕事ではなく、会社のブランドを育てる仕事だという視点が抜けてしまっているんです。
馬:企業アカウントの運用って、新規フォロワーの獲得が一番難しくて、そこが他社との差別化や独自の強みになる部分なんです。その獲得の速さで言えば、バズが一番の近道というのは間違いないと思います。強い土台ができた今のアカウントは、比較的バズりやすい状況ではあるので、ぜひ新しいアカウントを1から育てる大変さを味わってほしいですね(笑)
僕が今、「あの頃に戻れ」と言われたら全力で逃げます。自分で勝手にやってただけなんですけど、通勤中も家に帰ってからもXか本を読んでばっかりで、思い返せば本当にしんどかったので。
現X担当:あとは、馬さんと同じように他の動物を被って運営したい、という子も出てくるようになりました。
馬:それは…全力で止めてほしいですね。わかさ生活から動物キャラが出てきたら、こっちが認めてなくても勝手に“馬の後継”みたいに見られてしまい、面識もないのに何でも関係があることにされてしまう。
例えば、その子が頑張って運営して伸びたとしても、一生馬が文脈に出てきてしまう。今、プロ野球で二刀流の選手が新しく出てきたら、確実に“大谷翔平二世”と言われてしまうのと同じです。それは正直、お互いにとって良くないなと思いますね。
現X担当:馬さんに憧れる気持ちも、超えたいという気持ちも分かりますけどね。私は後任として引き継ぎましたが「同じことをやろう」とは一度も思いませんでした。
もし同じ見た目や同じキャラクターで運営していたら、何を投稿しても比較されてしまいますし、自分自身も苦しくなると思います。
馬:あと、これは色々なところで言ってるんですけど、被ったから伸びるわけじゃなくて、大事なのは中身の設計なんです。他社で同じように動物を被る企業アカウントを見て、改めてそう思いました。
僕は当社のブルブルくんの小さいぬいぐるみだけを武器に運用を始めて、3ヶ月で限界がきたんです。そこから色々考えて、自分自身をIP化しました。
現X担当:その3ヶ月の話、もう社内のほとんどは知らないんでしょうね。最初から馬さんがいたように見えると思いますし。
馬:そうなんですよね。その後、ブルブルくんがSNSをきっかけにどんどん人気になってくれたので、今はもう当時と全然環境が違います。
厳しいことを言うのですが「馬が伸びてるから被ったら伸びるだろう」という安易な設計でスタートを切る時点で、自分で考えることをやめてしまっているように見えます。僕が楽しそうな部分だけを社内に見せすぎたのかもしれません。少し反省しています。

ーー最後に、現状で困っていることや今後の展望などがあれば教えてください

現X担当:先日ひょっこりと馬が投稿に出たのですが、その時のいいね数や反応が普段の投稿より突出して多くて。まだ新しい勝ち筋を完全には見つけられてないんだな、と課題に感じていますね。
馬:ひょっこりと登場しただけの投稿にしては思った以上に伸びていたので、僕も驚きました。GMOサインと同じようにいつもの馬が出て、内容は特別なものではないのに、GMOサインとわかさ生活では伸び方が全然違う。でも引用欄を見ても、普段GMOサインの投稿に引用をくださるフォロワーさんばっかりだったんです。
現X担当:投稿の中身も、反応している人も同じなのに、伸び方だけが違うということですか?
馬:このコラム連載でもずっと悩んできたことなんですが、今のXは同じ人たちが反応しても、どのアカウントから出たかで伸び方が変わるんです。僕がよその企業アカウントに登場すると、普段GMOサインを応援してくれている皆さんがそこで反応してくれて、自社より他社の投稿のほうが伸びる。これは、2026年8月時点で何度も確認できています。
つまり伸びない理由は投稿の中身だけでは、説明できないというのが今の見立てです。わかさ生活で馬が出たときの状態を、自社でも実現できるように今後も試行錯誤していきます。
現X担当:わかさ生活のXの今後の展望としては、ある程度認知のところでは貢献できているかなと思うので、次は売上を作るフェーズとして、アカウントを育てていきたいなと思っています。
馬:引き継ぎの時に言い忘れたんですが、Xがきっかけで毎月のお届けコースで購入くださっている方の毎月の売上まで数えると、結構大きい数字になるんですよ。「このアカウントが薦めるくらいだから1つ買ってみようかな」と思ってもらえる機会を1つずつ増やしてほしいです。
現X担当:今でも迷ったときは、馬さんならどう投稿するかなって考えることがあります。
馬:最近は、もう僕に聞かなくても大丈夫だなと思って見ています。あのアカウントは、もう僕が運営するものではないので。
現X担当:これからも頑張ります。また、投稿でコラボしましょう!

GMOサイン 馬 今後の登壇情報(東京・大阪)

9月2日:マーケティングセールスWorld2026 大阪 夏(インテックス大阪)

【基調講演】元“わかさ生活”の「馬」が語る、2026年Xアルゴリズムの企業SNS運用

9月3日~4日:SNS運用戦略EXPO2026(東京都立産業貿易センター浜松町館)

①9月3日10:00~10:40
【基調講演】GMOサインの「馬」が解説。AI時代、企業公式Xが拡散しない理由
②9月4日12:30~13:30
【体験型ワークショップ】GMOサインの馬がその場でX運用の悩み相談に乗ります!「偉そうに相談に乗れませんが、一緒に悩みましょう」
③9月4日17:15~17:55
【基調講演 ゲスト出演】コンテンツ発信から、コンテキスト共創へ。実践者が語る、企業×ユーザー×AIが創る、企業SNSを伸ばす新常識
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GMOサイン公式X中の人

著者GMOサイン公式X中の人

大阪府出身。新卒でわかさ生活に入社し、広報として公式Xの運用を担当。独自の発信でファンを形成し「企業公式中の人」人気ランキングで1位を獲得するなど、数々の実績を通じて企業SNSの在り方に影響を与えてきた。現在はGMOグローバルサイン・HDの電子契約サービス「GMOサイン(@GMO_Sign)」公式Xを担当。AIによるアルゴリズム変化の最前線で、仮説検証と数値分析を重ねながら、生存戦略を探り続けている。

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取材者アドクロ編集部

広告・マーケティング情報の総合プラットフォーム「アドクロ」の編集部です。広告やWEBマーケティングの第一線で活躍するキーパーソンへの取材をはじめ、トレンド情報やお役立ち情報を発信しています。

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